① 「2023年の制度終了時点で18歳になっていない方」 では、現実的な選択肢として次の2通りの選択肢があります。
A:ロールオーバーの手続きをして、ジュニアNISAで買っていた株をそのまま18歳になるまで非課税で保有する
B:ジュニアNISA口座を廃止して、2024年以降に運用資金を引き出す。
◆結論から言いますと、選ぶのは「A」の 「ロールオーバーの手続きをして、ジュニアNISAで買っていた株をそのまま18歳になるまで非課税で保有する 」一択で良いと思います。
ですが、せっかくなのでAとBをそれぞれみていきましょう。
A:ロールオーバーの手続きをして、ジュニアNISAで買っていた株をそのまま18歳になるまで非課税で保有する
まずこの「ロールオーバー」って言葉がそもそもややこしくなる原因ですね。
「ロールオーバー」って、極々簡単に「そのまま移動させる」と覚えていただいて何ら問題ないと思います。
それを踏まえて・・・
例えば、2021年にジュニアNISAを開設して投資を始めた人がいるとします。
時は流れて2023年。2023年の12月末でジュニアNISAが終了して、明けて2024年になりました。
このとき、つまり2024年の1月1日現在で18歳になっていないという人は、2023年中に上の「ロールオーバー」の手続きをしなければ、2024年になった時点でそれ以降ジュニアNISAの恩恵を享受することはできなくなってしまいます。
つまり、ジュニアNISAを取りやめる手続きをして、今まで運用していた資金を払い出さなければ(ようは口座から引き出さないと)いけなくなります。
もちろん、この時に引き出されるお金には税金はかかりません。
ですが、「はい、これでジュニアNISA終了」となります。
ジュニアNISAで運用している間はどれだけ株が騰がって儲けがでたとしても、その儲けた分には税金がかからなかった・・・はぁ・・・もっと美味しい思いをしたいのに、何か方法はないのかなぁ・・・
ということで、ここで登場するのが「ロールオーバー」でございます。
上にも書きましたが、「ロールオーバー」の手続きをしますと、ジュニアNISAで保有している金融商品を全て翌年の非課税投資枠に移行(移管)することができます。この移管する作業のことを「ロールオーバー」と呼び、「翌年に貰える新しい非課税投資枠」のことを公的な説明では「継続管理勘定」なんていう難しい言葉で書いています。
これで晴れて、ジュニアNISAの口座名義人が18歳の成人になるまで、ジュニアNISAで運用してきた資産を非課税で保有することができます。ちなみに、「非課税管理勘定」では新たな買い付けはできません(売ることはできます)ので、非課税で持ち続けて株等が値上がりするのを待つばかりとなります。
ロールオーバーの手続きの方法は、ご利用の証券会社に問い合わせれば丁寧に教えてくれると思いますので、ここで説明するよりはわかると思いますので、該当の方はお使いの証券会社に問い合わせてみてください。
B:ジュニアNISA口座を廃止して、2024年以降に運用資金を引き出す。
これは文字通りで、「2023年で制度自体が終わるのならば、2024年になったら区切りの良いところでジュニアNISAから卒業します。」ということですね。
上にも書きましたが、2024年になれば、ジュニアNISAの口座名義人が18歳になっていなくても非課税でお金をおろせますので、お金が必要な方はジュニアNISAを卒業しても何ら問題ないかと思います。
② 「ジュニアNISA終了の2023年までに18歳になる人」
ここでも、現実的な方法としては下記2通りの選択肢があります。
A:「一般NISAへロールオーバーする」もしくは「つみたてNISAへ変更する」
B:ジュニアNISAを卒業(廃止)する
それぞれ見ていきましょう。
A:「一般NISAへロールオーバーする」もしくは「つみたてNISAへ変更する」
口座名義人のお子様が2024年に18歳になる方は、お子様が18歳になる年の1月1日の時点で、お使いの証券会社に「一般NISA」の口座が自動的に開設されることになっております。
なので、基本は「ジュニアNISA」の口座から「一般NISA」の口座へロールオーバーの(資産を移動する)手続きをして、新たに「一般NISA」で運用を開始するのが資産をお得に運用する為の基本路線になるかと思います。
この時注意しなければいけないのは、「一般NISAの口座は18歳になる年の1月1日の時点において自動的に作られるが、そこへ資産を移動させる、つまりロールオーバーの手続きは自動的にはやってくれないので手続きが必要となる」ということです。
どうせならロールオーバーの手続きも自動でやってくれればいいのに・・・
この時に必要な手続きは「未成年者口座非課税口座間移管依頼書」なんていう呪文のようなタイトルの書類を提出しなければなりませんので、この辺りの詳細は、お使いの証券会社に問い合わせていただいた方がスムースかと思います。
次に、このとき、もし「一般NISA」ではなく「つみたてNISAのほうがいい」というのであればそれも可能ですので(個人的にはつみたてNISAの方がいいと思います)、「つみたてNISA」への変更手続きをお使いの証券会社に連絡して行ってください。ちなみに「ジュニアNISA」から「つみたてNISA」へ変更する場合はロールオーバーできませんのでご注意ください。
B:ジュニアNISAを卒業する
これは文字通りで、「2023年で制度自体が終わるのならば、18歳になった区切りの良いところでジュニアNISAから卒業します。」ということですね。
ジュニアNISAの口座名義人が18歳になればいつでも非課税でお金をおろせますので、お金が必要な方はジュニアNISAを卒業しても何ら問題ないかと思います。
ものすごく長くなってしまいましたが、ジュニアNISAにおいて注意すべきポイントで重要なところは、とりあえず上記を抑えておけば大きな失敗はしないかと思います。
それでも「こんなときはどうすればいいの?」なんていう疑問はあると思います。
そんな時はこちらの「日本証券業協会」さんが出されている「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)に関するQ&A」にかなり詳しく書かれてありますので、ご一読いただければと思います。
※参考サイト 日本証券業協会「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」に関するQ&A
いやーわかばちゃん、それにしても長かったわね。もっと簡単にできないわけ?
確かに長かったですね(^^; それだけすべての状況を想定して制度を作ってくれたってことで良しとしましょう(*^^*)