※最初に、投資は常に自己責任でお願いします。また、個人的に「この銘柄がすき」という主旨を書くだけで、特定の銘柄を推奨しているわけではございませんので、その点をご了承のうえお読みください。
海運銘柄としては「ダナオス・コーポレーション(ティッカー:DAC)」と並んで勢いのある「ジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズ(ティッカー:ZIM)」でございますが、日本時間の一昨日、ついに52週最高値を更新いたしました。
この銘柄はIPOしてからの勢いを信じて、19ドル付近から乗り降りを繰り返してかなり美味しい思いをさせてもらっている銘柄でございます。
ZIMは、イスラエルの海運会社で、主にコンテナ船を運航し、コンテナ取扱量では世界的にも主要社として上位にランクされるグローバル企業で、世界170カ所に拠点を設置し、全世界における約4,200名の社員で180港、70航路以上のサービスを展開する(Wikipediaより)、世界的規模の海運会社でございます。
で、海運銘柄には、このZIMのような「コンテナ船」を運行する会社と、「スターバルク・キャリアーズ(ティッカー:SBLK)」などの「バルク船(石炭などを運ぶ船)」を運行する会社の、大きく分けると2つのジャンルに分けて考えることができ(タンカーも加えれば3ジャンル)、さらにいえば、「オーナー(船を所有している会社)」と、「オペレーター(雇われて船を運行している会社・もしくは、オーナーから船を借り入れて運行している会社)」の二つの要素も入ってきますので、2*2で4パターンの企業形態が考えられます。
僕はまったく海運に疎いのですが、この辺りの基礎知識は「note」で「ちゃぴお」さんという方の「海運基礎知識」という記事を購入させていただき勉強させていただきました。100円で莫大な知識が得られますのでお勧めです。
で、なんで今、このコンテナ船銘柄なのかでございますが、例えば、世界がコロナの影響で人々が外に出歩くことを控えてネットで買い物をしたりで輸出入が増え、コンテナの需要が増えたこと、例えば、これまたコロナの影響で荷卸しや配送など現場で仕事をしてくれる人が激減してコンテナから荷物を降ろせずに、港でコンテナ船が「荷卸し作業待ち」の大渋滞が発生していて、空っぽになって動ける船が少なくなってきていることから運賃が上がっていることが主な原因となり、コンテナ船会社がかなり儲かっているからなんです。
ようは、少しで空いた船が出たら、多少運賃が高くても早く運んでほしい人が続出するので、「うち、船が空いたから運んであげようか?運賃高いけどいいよね?」ということで儲かるのでございます。(非常にざっくりな説明です。実際はコンテナ船は定期的に、決められたルートを決められた運賃でまわっているので、現場での運賃交渉はほとんど考えられません)
世知辛いですねぇ。
で、昨年の後半には、「そろそろサプライチェーンの混乱も落ち着くだろう」、つまり、「コロナも大丈夫になってきて、港で働いてくれる人も戻ってくるだろうし、人々は外に出歩くようになるから宅配の荷物も減るから、物流も正常に戻るんじゃね?」という観測から、2022年には、中国の春節をピークに、早々に海運の相場も終わるだろうと予想されていたのですが、ところがどっこい、例のオミクロン株が大流行の兆しを見せ一気にシナリオが巻き戻され、「あら?ひょっとしたらまだまだサプライチェーンの混乱って続く?だとしたらコンテナ船銘柄はまだまだいけんじゃね?」という流れとなり、さらに言えば、そんな波乱の中、ZIMはコンテナ輸送での環境性能を向上させるために、平均SOX(硫黄酸化物)規制排出量を劇的に抑えたり、またITを駆使して効率よく荷受けや運搬をするために1億ドル以上の投資をしたりなどして企業努力も怠らないことから投資家からの信頼も厚く、結果として、IPO以来、右肩上がりの株価、ついには52週最高値を更新するまでとなった銘柄でございます。
昨日のブログでも少し触れましたが、デンマークの世界的な海運大手「APモラー・マースク」は11日にウェブページで、顧客に対し、貨物船の遅延解消にはこれまで同社が見込んでいたよりも時間がかかるとの見通しを示した(※ロイタージャパンよりhttps://jp.reuters.com/article/maersk-supply-chain-idJPKBN2JM02E)そうで、2022年もサプライチェーン混乱問題はもう少し長引きそうですから、情勢を見極めつつとなりますが、もう少しZIMはホールド、もしくは買い増しをしていきたいと思います。
今は市場全体的に株価が重いですから、新高値を更新するような値動きが軽くなった銘柄に資金が集中する傾向にありますので、その意味からも、ZIMは貴重な銘柄ではないでしょうか。
以上です(*^^*)